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【早期発見が大事!】5分で分かる!感染症 HIV検査:ヒト免疫不全ウイルス

【早期発見が大事!】5分で分かる!感染症 HIV検査:ヒト免疫不全ウイルス
TAK
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HIVについて解説していきますね

「血液検査」は年齢を重ねていくとほとんどの人が体験していますよね!?

おそらく、皆さんは「血液検査」と聞くと、あまり良いイメージをお持ちでないかもしれません。

今は血液検査で非常に多くのことが分かるようになってきました。今まで治療が困難であった病気も、血液検査で早く見つけることによって命を救われた人が数多く存在します。

検査項目にはそれぞれの特性があり、正しく理解することが非常に重要です。

心臓、肝臓、腎臓など、あまり症状がなく突然病気が発覚することも少なくありません。それ以外の病気でも、あともう少し早く分かっていれば。。。という方も。

検診で引っかかり指摘はされたものの何となくそのままにしている場合もありますよね!?

検査に関して疑問などを抱えていても、病院ではうまく聞けなかったりしていませんか!?

そのような人の悩みを解決できるよう、現役の臨床検査技師が詳しく解説しながら記事にしています。

人生100年時代と言われているこの頃、健康寿命を少しでも延ばせるように知識を共有しましょう!

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・HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは?

HIVはヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)の略語で、人体にとって不可欠な免疫(病原体から身体を守ってくれる)細胞に感染して破壊してしまう残忍なものです。

感染経路は、ほとんどが性行為で血液、精液、膣分泌液、母乳
などに含まれています。感染者の体液を触れた程度では感染しませんが、傷口からの侵入や粘膜感染には注意が必要です。

ということで、検査の種別としては「感染症検査」という認識の方がほとんどですよね。その通り、正解です!
毎年の健康診断で常に実施しているわけではありませんが、任意で申し込みをすれば「感染症検査」として実施可能です。
また、健康診断以外でも地方自治体や保健所で匿名による無料検査が可能ですので、心当たりがあれば早めに検査しましょう。

HIVは感染してもほとんど症状がありません(無症候性キャリア:初期は風邪に似た症状が出ることもありますが・・・HIVとはまず気付きません)。
ある一定期間(数か月~10年など個人差が大きい)を経てAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症します。AIDSを発症すると様々な症状(後述)が出てくるため、ここで気付く方が多いのです。
HIVは非常に危険なウイルスですが、医療の進歩とともに早期発見が可能となりつつあり、早期治療でウイルスを最小限に抑えることが重要

なのです。

HIVの「意外と知られていない」生理学的変動や検査による要因

<異常値(陽性)を示したとしても、病気!とは限らず日常生活や検査をする過程で起こり得る様々な要因によって検査値が変動すること>をいいます。

HIVは「日内変動(採血するタイミング、朝夕などで検査値が変わる)、性差(元来、男女で検査値に差がある)や加齢による影響はほとんどない」といえます。が、偽陽性(本来、陰性であるものが一定の条件のもと陽性として出てしまう現象)ということもあり得ますので注意が必要です。

感染症検査は、採血後に高速で遠心して固形成分(赤血球や血小板など)と液体成分(血清や血漿など)に分離します。検査で用いるのは液体成分の方です。

では、HIVが陽性を示した場合。。。

HIV感染症疑い(確認試験が必要)、日和見感染疑い(真菌症、細菌感染症、ウイルス感染症、腫瘍形成)、偽陽性(HIV抗体によく似た蛋白質が体内にある)疑いなど、があると思います。

どうしたら良いのか・・・
訪問者
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まずは、「HIV感染が確定」かどうか、他の検査項目を一緒に測定して総合的に解釈します。

・HIV検査の目的および現状

HIV感染症と診断するためには以下の条件が必要になります。

①スクリーニング検査:陽性
②確認試験:陽性

スクリーニング検査

スクリーニング検査とは、最も感度の高い検査法を用いて陽性者を見落とさないことが目的であり、現在は<HIV-1,2抗体およびHIV-1p24抗原(第4世代)>を検出する抗体抗原同時測定が主流です。(第3世代までは抗体のみ)

<説明>
HIVを抗原といい、抗原が体内に入ると抗体が産生されます。

問題は抗体が産生されるまでの期間(ウィンドウピリオド)には個人差があるということです。せっかく早期に検査をしても、抗体産生の遅い人はHIVに感染していても陰性となってしまいます。そこで、HIV自体を検出してしまえば良いということで、第4世代の検査法となっています。

スクリーニング検査で陽性(判定保留も含む)と判定されてしまった方は、確認試験が必要となります。
*なお、スクリーニング検査で初回陰性でも、不安な方は数カ月後に再検査をお勧めします。(ごく微量であった場合検出できない可能性があるため)

確認試験

確認試験とは、感度から正確性へシフトさせた検査法であり真陽性者を確定させることが目的であります。

各検査法に利点および欠点はありますが、共通していえることは「最終的な確定には熟練した経験者による判断が必要」ということです。

<説明>
ウエスタンブロット(WB)
・最新スクリーニング検査法よりも感度が劣り、非特異的な反応(偽陽性)を示してしまう場合がある
イムノクロマト(IC)
・感染急性期の検出感度は必ずしも高くない
核酸増幅検査(NAT)
・高感度・特異度である故に、些細なクロスコンタミ(異物混入など)や操作ミスも許されない

確認試験で陽性と判定されてしまった方は、HIV感染症として早期回復(悪化防止)を目指し今後の治療を医師と相談しましょう。

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・臨床検査技師の視点でHIVを解説

HIVは体内から完全に消すことが不可能とされています。

日本では性的接触での感染が最も多く、また、感染からAIDSを発症するまで気づかない人が増えている印象です。AIDS発症後、未治療では数年で死亡すると言われています。

医療の進歩とともに早期発見できれば健康な方と同じくらい寿命が延びるとされているため、早期検査・早期治療がキーポイントとされています。

日本のHIV感染者数は、2019年の時点で約3万人。2018年の新規HIV患者数およびAIDS患者数は減少傾向であったとされていますが、検査数も減少しています。

これに関しては判断が難しいところですが、罹患年齢別では30代が1位、続いて20代となっていることから、検査をしていないだけで潜在的には減少していない可能性があるとも考えられます。

なにはともあれ感染しないことが最も大事なことなので、しっかりとした知識と予防が肝心ですね。

HIV検査は定期的にチェックするのが理想ではありますが、なかなか難しいのが現状です。

当院でも体調を崩されて来院した際、医師の判断でHIV検査を実施したところ感染(陽性確定)が発覚したケースが多いように感じます。

HIV検査で陽性が確定した場合、その多くが既にAIDSを発症している可能性が高いため日和見感染症(HIVにより免疫組織が破壊され健康時にはかからない病気に罹患する)により生化学的検査値も変動(低下もしくは上昇)しているはずです。

HIVが陽性(確定)であった場合・・・

この時点で早期発見(AIDS発症前)or時間経過後(AIDS発症後)かで変わると思いますが、どちらにせよ薬剤による治療が早急に必要であることには変わりありません。
<AIDS発症前>
ウイルスを抑え、免疫力の低下を防ぎます。今は抗HIV薬も進化しており、上手くいけば血液検査では検出できない(測定感度以下)ほどにできます。
<AIDS発症後>
既に免疫組織が破壊され日和見感染症を合併しています。こうなってしまうと、治療もさらに大変になってきます。

多くの検査(ウイルス量、免疫細胞数、他の感染症など)を実施してその時に応じた治療を長期間する必要があります。さらに、日和見感染症の中にはまだ治療法が確立されていないものもあるため、状況次第では諦めざるを得ない場合も。。。。
*抗HIV薬もそれ以外の治療薬も必ず効くとは限りませんので、ご留意ください。

<日和見感染>
生化学的検査では肝機能(AST,ALT,γGTP)、腎機能(UA,UN,CRE,Na,K,Cl)、炎症(LD,CRP)などが変動していることが多い。

HIVが陰性であった場合・・・

まず、言っておかなければならないのは、現在のスクリーニング検査は年々進化しており感度も高くなっていますが、陰性でも心当たりのある方は必ず再検査(数か月後)をしてほしいということです。

また、超急性期(ウイルス曝露後72時間以内)であれば予防薬(抗レトロウイルス剤)でリスクを低下させることもできます。
*予防薬は感染を100%予防するものではないのでご留意ください。

TAK
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HIV検査で陽性と診断された際、必ず早急に病院を受診しましょう

検査データ報告の裏側

分析機器を用いた検査データには必ず測定誤差や疑似反応が生じます。
例えば、既知濃度100というものを連続20回測定した場合、20回とも100という数字はまず出ません。それを許容誤差といいますが、数%程度生じます。
また、定性検査(陽性や陰性)でも少なからず疑似反応で再検査をする場合があります。

疑似反応はどれくらいあるのか・・
訪問者
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TAK
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1%以下ですが念のため再検査も実施しています

ここからは現場の方の苦労を。。。

血液検査を専門としている臨床検査技師が最も大変なのは・・・血液検体と会話できないことです!

何を言っているんだ。。。と思うかもしれませんが

目の前に患者さんがいるわけではないので、今どの程度具合が悪いのか、熱がありそうなのか、顔色はどうなのか、など観察できないのです。

検査データを報告する際は、患者さん個別の前回値(前回の採血結果)や診療録を参照しながら、病態をイメージしています。病気が進化するとともに治療も進化していきますので、分析に用いる検査試薬や方法も古いものは使えなくなっていきます。

そのためには幅広い知識と豊富な経験が必須となり、日々進化し続ける病気や進歩し続ける検査法、両方に対応しなければならないのです。

基準範囲:陰性(1.0 C.O.I(Cut Off Index)未満)
(注)基準範囲は各病院によって多少異なる場合がありますのでご了承ください。
陽性で疑われる主な疾患:AIDS(後天性免疫不全症候群)、日和見感染症(真菌症、原虫症、細菌およびウイルス感染症、悪性腫瘍など)、などなど