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【IFCC法へ移行期間突入!】5分で分かる!ALP(アルカリホスファターゼ)の測定値が変わる(2020/4/9 更新)

【IFCC法へ移行期間突入!】5分で分かる!ALP(アルカリホスファターゼ)の測定値が変わる(2020/4/9 更新)
TAK
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ALP(アルカリホスファターゼ)の測定値が変わるため情報を招集します

数年前からLD,ALPの測定方法が変わるのではないか、という噂がありました。

その後、ある学会から2020年度内に従来の方法から移行するように指示が出ました。運の悪いことに、移行期間中、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)もあり、各検査室担当の方々は大変な思いをされていることでしょう。

測定方法が変わる場合、LD,ALP測定試薬の検討を実施しなければなりません。

さらに、今回は測定値そのものが大きく変わってしまうため検査室内だけでなく臨床側へいかに周知できるかも非常に重要となっています。

測定値の大きな変化によって診察された患者さんが混乱しないように、できる限り情報を発信して記事にしていきます。

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IFCC法でALP(アルカリホスファターゼ)の測定値が変わる

ALP測定方法の変更(JSCC法⇒IFCC法)が施行され測定値に変化が生じます。

【移行期間:原則、2020年4月~2021年3月。困難な場合は2021年4月以降】

・JSCC(Japan Society of Clinical Chemistry):日本臨床化学会
・IFCC(International Federation of Clinical Chemistry):国際臨床化学連合

今までは日本独自の高精度な測定方法(JSCC法)で行なわれてきましたが、他の国で使われている方法(IFCC法)とは異なるため、その測定値が国外では通用しないケースが増えてきています(主に治験データなど)。

そこで、ざっくりそれぞれの測定方法の違いをお話しすると、試薬に用いる緩衝液の組成が変わるため反応性が異なります。
LD:ジエタノールアミン(DEA) ⇒ N-メチル-D-グルカミン(NMG)
ALP:2-エチルアミノエタノール(EAE) ⇒ 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)

ALPには大きく5種類のアイソザイムというものがあって、現行法(JSCC法)と新法(IFCC法)では各アイソザイムに対する感度が違うことから測定値に影響を及ぼしているのです。

別記事:【肝臓・骨・妊婦】5分で分かる!ALP検査:アルカリホスファターゼ

現行法(JSCC法):小腸型優位
新法(IFCC法):胎盤型優位

よって、どちらが優れているということではない(どちらにもメリット・デメリットがある)のですが、世界基準と考えた場合、測定方法の変更に踏み切らざるを得ないわけです。(いわゆる多勢に無勢といった感じです)

IFCC法は従来の測定値の1/3程度になる

現時点では、従来の測定値のおおよそ1/3程度になると思われます。

しかしながら、様々な事情によって現行法のままが良い場合や新法の方が良い場合などあると思いますので、それぞれに対する換算式(新しい測定値を従来の測定値へ変更する、など)が公表されています。

また忘れられがちですが、新法へ変更した場合、測定値とともに基準範囲も変更しなければならないためご留意ください。

共用基準範囲
現行法(JSCC法):106~322 U/L、新法(IFCC法):38~113 U/L
換算式
現行法から新法への換算:0.35倍、新法から現行法への換算:2.84倍
*換算式を用いても正確にそれぞれの測定値になるわけではなく、あくまで近づけるという感覚ですのでご注意下さい!

*なお、LDの測定方法も同時期に変更となります。ALPとは異なり測定値はほとんど変わらないため、基準範囲も含めて従来のものを使用する施設がほとんどだと思います。

正確性評価はCRM-001d

外部精度評価を実施しているご施設は標準物質(主にReCCsなど)を使用したことがあると思います。

ISO15189などを取得されているご施設はご存じの通り、測定試薬の変更を検討する時には、正確性の評価を実施しなければなりません。

現時点で新法のLDおよびALPに関して値付けが完了しているのは、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)の常用参照標準物質であるCRM-001dだけです。

(ちなみに、IFCC-LD、IFCC-ALP値が追加になっている分、値段も上がっている・・)

酵素系の凍結乾燥品であるため、溶解液(蒸留水)の水温や溶解の手技によって認証値からズレてしまう可能性がありますので、添付されている取扱説明書を熟読の上、実施するようにしましょう。

IFCC法試薬の販売メーカー

移行期間に突入しましたので、現時点で販売が開始されている国内試薬メーカーをあげておきます。(抜けてたらすみません、、)

和光純薬、関東化学、シノテスト、積水メディカル、セロテック、カイノスの6社はLDおよびALP-IFCC法ともに揃っています
他、LSIメディエンスはALP-IFCC法のみですね。

ただし、新型コロナの影響(特に緊急事態宣言発令の1都府県)で変更に支障が生じている施設もあると思います。物流に影響が出た場合、試薬の安定供給も懸念材料ですね。

今年度中の変更が推奨されていますが、学会が主導して【変更時期の延期】も視野に検討を進めてほしいものです。

 

何か新しい情報が入り次第、更新します!