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【癌!?】腫瘍マーカー:AFP(L3も含む)の数値が高い場合の解釈

【癌!?】腫瘍マーカー:AFP(L3も含む)の数値が高い場合の解釈
TAK
TAK
腫瘍マーカー「AFP」について解説していきますね

「血液検査」は年齢を重ねていくとほとんどの人が体験していますよね!?

おそらく、皆さんは「血液検査」と聞くと、あまり良いイメージをお持ちでないかもしれません。

今は血液検査で非常に多くのことが分かるようになってきました。今まで治療が困難であった病気(特に癌など)も、血液検査で早く見つけることによって命を救われた人が数多く存在します。

検査項目にはそれぞれの特性があります。特に、腫瘍マーカーのようなイメージが先行してしまう項目は正しく理解することが非常に重要なのです。

心臓、肝臓、腎臓など、あまり症状がなく突然病気が発覚することも少なくありません。それ以外の病気でも、あともう少し早く分かっていれば。。。という方も。

検診で引っかかり指摘はされたものの何となくそのままにしている場合もありますよね!?

検査に関して疑問などを抱えていても、病院ではうまく聞けなかったりしていませんか!?

そのような人の悩みを解決できるよう、現役の臨床検査技師が詳しく解説しながら記事にしています。

人生100年時代と言われているこの頃、健康寿命を少しでも延ばせるように知識を共有しましょう!

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・腫瘍マーカーとは?

腫瘍マーカー・・・名前の響きで何となく想像できますよね!?

癌の進行とともに増加してくる物質で、その多くは蛋白質を主成分としています。
ここで大事なポイントは「測定値が上昇した場合、体内に癌があるのか!?」ということですが、結論として、必ずしもそうではありません

腫瘍マーカーは当院で検査しているもので約10種類、外注検査を含めると約50種類くらいあると認識しています。

その特徴は「広範囲スクリーニング」「臓器限定」「癌の種類限定」の3つですが、「非特異的反応」(=非癌性反応)も存在するという側面も忘れてはならないのです。

腫瘍マーカーの中には、限局的で非常に高感度のものから広範囲に及びあまり感度の高くないものまで多種多様であるため、用途に分けて使いこなさなくてはなりません。

癌の確定診断には腫瘍マーカーのみならず、腫瘍組織の病理診断やCT画像検査などを併用して総合的に判断します。特に、早期癌の場合、まだ体内に腫瘍マーカー成分が少なく検出することが困難なため、”測定感度以下”と評価されてしまいがちです。

また、別の用途としても用いられます。

それは「癌に対する治療効果」を判断する指標として、内科的治療・外科的治療・最新医療技術など、どれを用いても最終的には腫瘍マーカーが減少していくこと、理想は”測定感度以下”になることを目指していかなければなりません。

つまり、腫瘍マーカーは「癌を発見する」&「癌に対する治療効果」、この両者にとって非常に重要な検査なのです!

・AFP(癌胎児性蛋白)の役割

AFPは腫瘍マーカーでも代表的なものの1つです。

1963年に成人ヒト肝癌細胞および新生児血清から発見された糖蛋白質であり、教科書にも肝細胞癌のマーカーとして記載されています。

AFPは肝臓の癌細胞に数多く存在するため、肝癌(特に原発性肝細胞癌)に極めて特異的に反応します。また、他では転移性肝癌にも反応することが知られており、AFPの構造上、抗原的多様性反応(いわゆる癌ではない病状でも上昇しやすい)も存在します。

「腫瘍マーカーとしてどこまで信頼できるのか!?」と思いますよね・・・

実は、AFPほど肝臓に特化した腫瘍マーカー(早期癌には感度がいまいち)はほとんどありません。要は、使い方次第なのです。

癌の厄介な一面は「転移」していくということです。発生場所にもよりますが、転移した癌の多くは手術で完全に取り除くことが不可能とされているため、いち早く発見し治療法を選択しなければなりません。

そのため、現在、

AFPは臓器を限定(癌の種類も)。さらに、他の広範囲な腫瘍マーカーと組み合わせて「補助的診断、治療後の効果、他に転移していないか」などに用いますが、主に臓器を限定したスクリーニング検査として最も有用

とされています。

あまり知られていないAFPの癌以外での上昇要因

そもそも腫瘍マーカーは通常の健康診断などでは実施していないため、希望の方は人間ドックなどのオプション検査に申し込む必要があります。また、通常の健康診断で異常が発見された場合、医師の診断のもと精密検査で実施されるくらいです。

腫瘍マーカーは他の検査のように基準範囲という表現はあまりしません。カットオフ値という表現が最も適しているでしょう。

カットオフ値とは、ある特定の疾患に罹患しているかどうかの境目の値を示し、AFPで一般的に用いるカットオフ値は20.0 ng/mLです。

「では、20.1 ng/mLだったら癌なのか!?」と思いますよね・・・

ここで重要なのが癌以外で上昇する要因を理解しておくことです。
AFPには個体内生理的変動(例:遺伝的に高い)、日内変動(例:朝と夜で値が異なる)、男女差や食事の影響はほとんどないといえます。

代表的な非癌性反応は、慢性肝炎、肝硬変、妊娠(後期)で、個人差はあるもののカットオフ値の10倍程度(200 ng/mL)までは考慮に入れてもよいでしょう。
*特に妊娠後期には500 ng/mL以上になる方もいます。

ただし、必ずしも良性とは限りませんので専門医とともに画像診断と併用して総合的に判断するようにしましょう!

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AFPと関連する検査項目と組み合わせの意図

前記したとおり、AFPは肝臓に特化したスクリーニング検査として有用ですが、転移も含め疑わしい箇所をカバーできるような組み合わせで検査することがあります。

・生化学検査:ASTALTLDALPγGTPAMYTPALBUAUNCREGLUT-BilC-BilCaFeMgIPNaKClCRPなど
・免疫・感染症検査:HBV(HBs抗原・HBe抗原および抗体)、HCVなど
・腫瘍マーカー検査:CEACA19-9CA125CA15-3

さらには、血算・末血像・凝固検査も必須です。

これらの検査項目を用いて、範囲を限定しながらCT画像を撮影(妊婦は超音波検査)していくのが一般的でしょう。

他院からの紹介で来た場合でも、最新の状態を把握するため来院時の血液検査は欠かせません。(CT検査は保険の関係もあって必ずしもそうではない)

加えて、

AFPにはL1,L2,L3といった分画が存在します。
癌以外の良性疾患や胎児のAFPはL1肝細胞癌のAFPはL3に多いため、AFP分画検査を実施することで、より確実な診断につながります。
*当院では実施していますが、実施していない医療施設の方が多いかもしれません。

また、癌と診断され手術などの治療を受けた後、経過観察という目的で「再発していないか」「転移していないか」の定期的な血液検査にも極めて重要であり有効なのです。

癌がなくなれば腫瘍マーカーと呼ばれる物質が生成されないため、血液中から徐々になくなっていきます。その速度はそれそれ半減期(物質の濃度が半分になる期間)によりますが、AFPは半減期が5~7日程度なので、手術前に1000 ng/mLあっても(完全に)癌が取り除かれれば1ヶ月程度で理論上はカットオフ値以下となるはずです。

理論通りにならなかったり再度上昇してきた場合は「再発か転移」が考えられます。治療した後の血液検査を怠るのは非常に危険なので必ず専門医の指示に従って健康を維持しましょう!

AFPが異常高値であった場合・・

AFPは肝臓に特化したスクリーニング検査としての評価が高い反面、非癌性反応を示す可能性(しかもかなり高い値)もあります。
AFPのカットオフ値が20.0 ng/mLなのですが、早期の肝細胞癌はカットオフ値を下回るケースが散在するため、そこを踏まえて流れを状況別(診断前もしくは治療後効果)に説明していきたいと思います。
(注)あくまで一般論なので、担当の専門医とよく相談しながら対応するようにしましょう。

AFPが20.0 ng/mL未満の場合

診断前:専門医の問診を受けたうえで経過観察となる可能性が高いと思います。
*ただし、画像およびAFP分画検査次第では早期の肝癌の可能性もあるため詳しく検査する必要があるかもしれません。
治療効果:かなり順調に経過しており、もう一息で治療が終了となる段階です。

AFPが20.0~100.0 ng/mLの場合

診断前:専門医から精密検査の指示が出ると思います。良性疾患の可能性もありますが、問診や触診はもちろん、上記の血液検査(できればAFP分画検査も)に加えて画像検査など一通り実施となるでしょう。
治療効果:低下傾向にあると判断され、このまま現在の治療法で継続していくはずです。

AFPが100.0 ng/mL以上の場合

診断前:専門医から精密検査の指示が出るとともに、癌の可能性や今後の治療方針などの説明を受けることになると思います。
ただし、AFPは良性疾患でも高値を示す可能性があるため非常に難しく、問診や触診はもちろん、上記の血液検査(できればAFP分画検査も)に加えて画像検査など一通り実施したうえで判断することになるでしょう。
治療効果:まだ安心できる数値ではないため、このまま現在の治療法もしくは半減率によっては別の治療法を模索していくはずです。

検査データ報告の裏側

分析機器を用いた検査データには必ず測定誤差が生じます。

特に、腫瘍マーカーは非常に微量の物質(ng=1gの1/10億分)を高感度な測定方法(CLEIA:化学発光酵素免疫測定法)で検出しているため、一般的な生化学検査よりも誤差の幅は大きくなる傾向にあります。

例えば、既知濃度100というものを連続20回測定した場合、20回とも100という数字はまず出ません。それを許容誤差といいますが、数%程度生じます。

ですので、少し検査値が変わっても不安に思わなくても大丈夫です。

AFPが100から102に上がったが・・
訪問者
訪問者
TAK
TAK
測定誤差範囲なので大丈夫ですよ

ここからは現場の方の苦労を。。。

血液検査を専門としている臨床検査技師が最も大変なのは・・・血液検体と会話できないことです!

何を言っているんだ。。。と思うかもしれませんが

目の前に患者さんがいるわけではないので「今どの程度具合が悪いのか」「熱がありそうなのか」「顔色はどうなのか」など観察できないのです。

検査データを報告する際は、患者さんの前回値(前回の採血結果)や診療録を参照しながら、病態をイメージしています。

病気が進化するとともに治療も進化していきますので、分析に用いる検査試薬や方法も古いものは使えなくなっていきます。

そのためには幅広い知識と豊富な経験が必須となり、日々進化し続ける病気や進歩し続ける検査法、両方に対応しなければならないのです。

カットオフ値(基準範囲):20.0 ng/mL 以下
(注)基準範囲は各病院によって多少異なる場合がありますのでご了承ください。
異常高値で疑われる主な疾患:肝細胞癌、転移性肝癌、などなど
(注)良性疾患や非癌性反応の可能性もあるため専門医と必ず相談しましょう。